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4月, 2021の投稿を表示しています

HYBRID通信 vol.104

  英語が・・・   ~卒塾生の声から~ 例年3月の公立高校入試が終わり、「先生、終わりました!」とホッとした表情で塾に来てくれる卒塾生に対して、私は労いの言葉と共に先ずこれを訊きます。 「今年の入試、何の教科が難しかった?」 と。A君は「数学」、Bさんは「社会」、C君は「国語」等々・・・このように例年は様々な声があがるのですが、今年は迷うことなく 全員が口を揃えて「英語です」と即答 し、少し驚いたものでした。なぜなら、この子たちは中学3年生時の定期テスト英語は概ね80~90点以上取れ、 「得意科目は英語です」と言ってもおかしくない子たちだったから です。尚、これまでもお伝えしました通り、彼らはその「英語が難しかった」入試を突破、見事志望校に 全員合格 しています。 その点はご安心ください 。保護者様の世代のお方は「高校入試レベルの英語なら文法と単語、これらをせいぜい半年も頑張ればなんとか間に合うのでは?」と思われる方も少なくないかと思いますが・・・ 断言します。“ はっきり言って間に合いません 。”文末に「yesterday」という語句があるので選択肢の動詞の中から過去形を選ぶ・・・なんてベタな問題は今の入試に、ほぼありません。 求められるモノが確実に変わってきている のです。コロナ渦ですっかり陰に隠れた印象ですが、 今は新しく変わる教育課程、その真っ只中 です。(尚、これは英語だけでなく、他の教科にも同様なことが言えます。苦手科目でも直前期にこの単元を頑張れば〇〇点は確保できる!など、いわゆる 「小手先」の勉強がここ数年で一気に通用しなくなってきている 印象があります。) 凡事徹底   ~当たり前のことができるように~ では、どうすれば? 「日々の積み重ね」 これに尽きます。先ほどの入試問題の話もそうですが、対応できる子とできない子、この 二極化(間の層は非常に少ない)が今後益々進む と私は考えます。では、対応できる子は何か特別な才能があるのでしょうか?いえ、そんなに難しい話ではありません。ただ一つ、 「毎日、少しずつ、コツコツやれるかどうか」 なんです。私はこの仕事を始めて30年近くになりますが、これまで 色々な子を見てきて思うのはそこ です。塾ではこの4月、1週間単位で計画を私が作り、それに沿ってお子様方に学習を頑張ってもらっていますが、こなせない場合は補習

HYBRID通信 vol.103

 追いかけるモノ  ~なぜデジタルを使うのか HYBRIDの流儀~ 反転授業 という言葉をご存じでしょうか? これは これまでの授業形態を文字通り「反転」させる教育方法 を指します。 従来は授業で先生が新しい知識を教え、生徒が自宅で宿題などを通して知識の定着を測るという方法が一般的でした。 これを「反転」させるとこうなります。 生徒はオンラインなどで新しい知識を事前に学習し、塾ではチェックテストを実施。理解が不足している部分の演習にあて、先生との質疑応答で理解を深めていきます。 つまり、 生徒が知識を得る「インプット」と、理解を深め知識を定着させるための演習を行う「アウトプット」の場を「反転」させようというもの です。 以下、反転授業のメリットを挙げますと、 1つ目は自分のペースで繰り返し学習できる という点です。個別に映像教材を使いながら新しい知識を習う場合、わからない箇所は理解するまで繰り返し視聴することができます。→私は映像教材を 「しゃべる参考書」 と呼んでいます。 映像教材はデータとして残っていますので、少し時間が経ったあとに復習として視聴することも可能です。これは生の授業では不可能です。このため効率的な知識習得が可能と考えます。 また、授業についていけず分からないということが起きにくいため、生徒の学習意欲の向上にもつながります。 2つめは問題解決能力の育成 にあります。 反転授業では対面で行う授業は演習問題を解いたり、より発展的な内容を扱う時間に充てるため、インプットした知識を生徒が アウトプットする機会が増える ことで問題解決能力の育成につながると考えます。分からなくなったらすぐに質問ができる環境で演習を行うことによって、一人では解けなかった難しい問題にチャレンジしやすくなります。 ※ただし、すぐに解法を教えるような教え込みはしません。 気づきのヒントを与える程度 です。教えてくれる先生がいないと勉強できない生徒はつくりたくありません。 また複数人で一つの問題を考えることで、 自分では思いつかなかった様々な解法 があることを知り、理解の深まりにつながることもあります。 ただ、デメリットとして 「自習時間を確保する必要」「生徒にある程度の学習意欲が必要」「節度を持ったデジタル機器との向き合い方」 などが考えられるでしょう。 しかしながら、昨年度からのコロ

カルチャーキッズ通信vol.6

 教育の変化と変わらないモノ~今できる教育のカタチ 基礎と基本そして脳幹 各学問の 「基礎」 とは、 公式の理解や語彙の習得 など、スポーツに例えると基礎体力と同じです。各学問で身につけておくべき知識がこれにあたります。一方、 「基本」 とは 科目本来が求める力 のことで、 国語は読解表現力、社会では資料の解釈・分析力 などがこれにあたります。そして それらを機能させるために大切なことが「脳幹(造語)」 です。スポーツで活躍している方の大半が「体幹がしっかりしている」と評価されています。しかし、学習において体幹にあたるものがどれかがまだ見当たらないのではないでしょうか?いえ、 冷静にそして考え方を集約して物事を捉え表現する力=問題解決力 がこれにあたり、これを実践トレーニングできるのがHYBRIDと解釈いただければ幸いです。闇雲に答えを暗記したりパターンを学習していくことでは知識や解法が得られても、変化球には対応できません。 柔軟にそして俯瞰して問題を捉える力を脳幹(通称:地頭)と捉え、その力を子どもたちに育ませることがこの先重要 になります。 共通テストの更新 いよいよ大学入試共通テストが実施されました。ただ、 予想外の平均点の高さ に戸惑われたと思います。今回の問題は色々な意味で受験生に迎合した傾向になってしまったと私は考えます。しかし、これから 数年で内容も進化 していくものと思われますし、新中学3年生が大学入試を迎える頃には 科目も進化 していきます。歴史総合、地理総合、公民に代表される社会科目の統合や、新しく「情報」という科目が始まります。その内容は、「情報を活用するための工夫と情報機器」「情報の収集・発信と情報機器の活用」「情報の統合的な処理とコンピューターの活用」「情報機器の発達と生活の進化」と記されており、情報モラルや正しい情報社会の在り方に対するリテラシーが主として構成された科目となります。授業時間の半分が実習に充てられることが決まっていて、ペーパーテストとしてはどのような出題になるかはまだ定かではありませんが、決定事項なので注視する必要があります。そして、科目ごとの 活用問題も更に進化 していくことが予想されます。特に社会系科目では、資料の活用やグラフの読解が必修の力となりますし、数学は身近な問題から学んだことをいかに統合して解釈していくかが課題

HYBRID通信 vol.102

  サクラサク 3月10日、全ての受験が終わり、慌ただしい日々がひと段落しました。以前もお知らせしましたが、 公立高校全員合格! (私立高校も全員合格)という最高の結果で終えることができました。未曾有のコロナ渦の中での紆余曲折、そしてメンタル維持が難しい中で、しっかり結果も出してくれた卒塾性たちを誇りに思います。日々追求している 問題解決能力 や コミュニケーション能力 の向上に向けての学習を実践しているからこそ、この結果を出すことができたと信じています。具体的に塾では生徒全員、 全ての教科の答案に私が目を通します 。その都度アドバイスするのですが、中には何度もダメ出しされ、修正し、書きかえを繰り返して、生徒はその時点で出しうる最高の答案をつくり上げていきます。問題解決能力は、自分が導き出した答えに満足することなく、「まだこれ以上の結果や考えがあるはずだ」と 批判的思考を繰り返しながら着眼点を深めていく ものです。私も途中で「これを言ったら心が折れるかな?」と思うくらいのことを提案助言することもあるのですが(笑)これらの行動、プロセスを続けていく根底には、これまで培った信頼関係、その子のストレス耐性や着眼点そして総合的な思考力を活かせるものがあるからと信じています。   心が育てば、学力につながる! 点数を追い求めていくのが受験勉強だということはもちろんです。しかし、それが何につながるのか?を理解していない得点力が、 果たしてその子のためになっているのでしょうか? 先日、知り合いの塾の先生の話を聞いたのですが、その塾に就職希望でいらした方の面接時のこと。学歴はその県で有名な某私立中高を出ている方。しかし、その後の経歴が伴っていません。直接面接してみても???な発言しか返ってこない。彼から出た発言で印象的だったのが「良い○○」という表現。とくに「良い高校を出ても、良い大学に行けないということが分かった」の発言は、受験の捉え方を逸した典型的な表現です。そう、 結局どの高校に行こうが、自分を高める行動ができるか 、です。そのためには、 結果を求めつつも、その先を見据えた行動計画が必要 です。そこに謙虚さであったり、支えてもらっている感謝であったりが備わっていないと、単なる上昇志向で自分を受け止められなくなるのです。「将来は自分で指導映像をつくってYouTubeに上げて稼ぎ